“いつつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
戌刻39.3%
五歳25.7%
辰刻15.7%
五刻7.1%
五個2.9%
2.1%
亥刻2.1%
五箇1.4%
八時0.7%
五層0.7%
五才0.7%
戊刻0.7%
酉刻0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一応たずねてみましたが、店の大戸を閉めたのは戌刻いつつ(八時)、それから誰も出なかったという言葉に間違いがあろうと思われません。
「フウン——お前さんが五歳いつつで、菊ちゃんが三歳みっつ——そう御悧好おりこうじゃ、御褒美ごほうびを出さずば成るまい——菊ちゃんにも御土産おみやが有りますよ」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ものの半日あまり、枯木寒巌こぼくかんがんといったていで、半眼をとじながら黙々然々もくもくねんねんとしていたが、お調べも間もない辰刻いつつになると、とつぜんカッと眼を見ひらいて
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
侍女三人、燈籠二個ふたつずつ二人、一つを一人、五個いつつを提げて附添い出で、一人々々、廻廊のひさしけ、そのまま引返す。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一寸ちょとついわたいた受取うけとった/\一つでは乳首くわえて二つでは乳首はないて三つでは親の寝間を離れて四つにはよりよりいつつでは糸をとりそめ六つでころ機織はたおりそめて——
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
フラリと平次の家へ来たのは亥刻いつつ(午後八時)少し過ぎ、食わず飲まずで見張っていてひどく疲れております。
五箇いつつの握飯のうち三箇を食べてしまって、あと二箇を残しておいたことは紛れもなき事実であります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
八時いつつすぎになって港の左側の堰堤の上に松明たいまつの火が燃えだした。其処には権兵衛が最初の祈願の時の武者姿で、祭壇を前にしてぬかずいていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
昨夜ゆうべ八時いつつすぎから一睡もせずにおがんをこめたから、其の方たちにはもうおかまいがない
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一昨日おととい松本で城を見て、天守に上って、その五層いつつめの朝霜の高層に立って、ぞっとしたような、雲に連なる、山々のひしと再び窓に来て、身に迫るのを覚えもした。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或日の如きは、夫人は四才よつつ五才いつつばかりの男の子を連れて來た。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
「昨夜の宵のうち、——詳しく言えば、戊刻いつつ(八時)頃までは確かにあったが、今朝見ると無くなっている」
「いや申刻ななつ(四時)に此処で逢おうと誘われているんだ。もうあの日足は申刻半ななつはん酉刻いつつ(六時)近いだろう。敵に後ろを見せるわけには行かないよ」