“戌刻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いつつ49.1%
いつゝ46.4%
いぬどき0.9%
いつつどき0.9%
いつゝどき0.9%
いぬのこく0.9%
よつ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
藤枝蔵人老人が三河屋を出たのは、それから一刻いっとき(二時間)も後——ツイ二三町の自分の家へ帰ったのは、戌刻いつつ半(九時)過ぎ——。
戌刻いつゝ(八時)には潜りの大海老錠えびぢやうをおろします。それから先は私が開けにかゝらなければ、外からは入れないことになつてをります」
袈裟ノ前の死は、十四日のよい戌刻いぬどきすぎごろ(午後九時)——場所は、菖蒲小路あやめこうじの自邸。良人おっとの渡にとっては、留守のまのできごとだった。
聞居るお政のつら殘念ざんねん辯解いひわけなすともまことにせず口惜涙くやしなみだむせ返る心の中ぞあはれなり然るに天の助けにや或夜あるよ戌刻いつゝどきとも思ふ頃下谷車坂くるまざかより出火して火事よ/\と立騷ぎければ宅番の者ども大いに驚き皆々我家へ歸り見るに早火の紛は破落々々ばら/\と來たり殊に風もはげしければ今にもやけて來るかと皆々周章狼狽あわてふためき手に/\荷物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
戌刻いぬのこくに忠之は成瀬を見舞ひにつた。十九日に忠之は歸邸を許されたが、上邸は憚があると云ふので、弟隆政のゐた麻布の下邸に遷つて、隆政は長屋へ入り替つた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
小「お前さんは酒を三杯飲んだろうが、私は待ってる間におかちんを二タ切焼いて呉れたぎりだから腹がって仕様がない、もう直に戌刻よつになりますから早くきましょう」