『未開な風景（みかいなふうけい）』

○ みのえは、板の間に坐っていた。真暗な板の間であった。 みのえの前の瓦斯コンロだけが、暗闇の中で勢よく青い広い焔をあげている。その薄明りでみのえは自分の鼻の先と手を見ることが出来る。 自分の鼻の先、それからすべっこい熱い激しい瓦斯の焔。一 …

著者	宮本百合子
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「婦人公論」1927（昭和2）年9月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約15分（500文字/分）
朗読目安時間	約25分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

毮（もぎ） 飾棚（ショーケース） 擁（だ） 転（ころが） 穢（きたな） 悠（ゆる） 恍惚（うっとり） 訣（わか） 醒（さま） 鞣（なめし） 赭（あか） 跟（つ） 襯衣（シャツ） 襖（ふすま） 跫音（あしおと） 蜻蛉（とんぼ） 蜘蛛（くも） 靡（なび） 薬罐（やかん） 薔薇（ばら） 股引（ももひき） 翳（かざ） 縋（すが） 痺（しび） 小径（こみち） 伽噺（とぎばなし） 俄（にわか） 先刻（さっき） 剪（き） 卸（おろ） 喋（しゃべ） 噴（ふ） 囁（ささや） 四辺（あたり） 瞑（つぶ） 徐（おもむ） 招（よ） 撥（は） 擽（くすぐ） 欠伸（あくび） 流眄（ながしめ） 瓦斯（ガス） 下髪（さげ） 眩（まぶ）