黝朱うるみしゆ)” の例文
その向うの空の濡れた黝朱うるみしゆの乱雲、それがやがては褐となり、黄となり、朱に丹に染まるであらう。日本ラインの夕焼にだ。
日本ライン (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
金と黝朱うるみしゆの羽根の色をした鳶の子がちやうどこの対ひの角の棒杭に止つてゐたのを観た七八年のことを思ひ出したのである。私はあの時木菟みみづくかと思つた。
白帝城 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)