“黒方香”の読み方と例文
読み方割合
くろぼうこう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どれが第一の物とも決められない中にも斎院のお作りになった黒方香くろぼうこうは心憎い静かな趣がすぐれていた。侍従香では源氏の製作がすぐれてえんで優美であると宮はお言いになった。
源氏物語:32 梅が枝 (新字新仮名) / 紫式部(著)
風がはげしく吹いて、御簾の中の薫香くんこうの落ち着いた黒方香くろぼうこうの煙も仏前の名香のにおいもほのかにれてくるのである。源氏の衣服の香もそれに混じって極楽が思われる夜であった。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)