黄楊櫛つげぐし)” の例文
つやめかしくパッとくりあげられたままであり、下の抽斗ひきだしが半ば引き出されて、その前に黄楊櫛つげぐしが一本投げ出されているではございませんか。
幽霊妻 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
こういう風に挙げてくると、女の黄楊櫛つげぐしから、さては菓子型の類、庭を棕櫚帚しゅろぼうきなどに至るまで、仕事のよいのを色々と拾うことが出来ます。京都は今も手仕事の都といわねばなりません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
鹿児島は近在が黄楊つげの木の産地であるため、そこの黄楊櫛つげぐしは仕事のよさで名があります。更になお名があるのはその町の錫細工すずざいくで、伝統はどういう仕事が正しいのかを工人たちに教えています。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)