つまりその頃そのなにがしという日本画の生徒は、場所は麹町番町こうじまちばんちょうの或るいえに下宿していた。自分一人では無くて友達と二人で、同じ部屋に起臥きがを共にしていたというような有様ありさまであったのだ。
白い光と上野の鐘 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)