鶏群中けいぐんちゅう)” の例文
それに、卯木と元成との、一ついの姿は、この庶民の沼底をすくッたような阿弥村では、鶏群中けいぐんちゅうの一かくみたいに、余りに人目立ってもいた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頭巾ずきんの上に、笠をもかぶっているので、よくは分らないが三十にはとどくまい。端正な姿に細太刀もよく似合って、こんな淀川舟の中では、鶏群中けいぐんちゅう一鶴いっかくといえる気品もあらそえない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)