魔風恋風まかぜこいかぜ)” の例文
一般家庭でも『学士様なら娘を遣るか』といった調子で、紅葉山人の金色夜叉こんじきやしゃや、小杉天外の魔風恋風まかぜこいかぜが到る処にウロウロしていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
よく学校の帰りなどに宝沢が伊東を店先に待たせておいて、『魔風恋風まかぜこいかぜ』『はつ姿』などという小説本をひっくり返していると、なんにも知らない伊東はそれも『肉蒲団』の類かと思って
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
その浮気の裡面には呉家の血統の継続という痛々しい、悲しい観念が有力に動いていた。それが魔風恋風まかぜこいかぜ以来の自由恋愛の風潮に乗って具体化されたものにほかならない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)