げにも由緒ありげな宝物ほうもつである。忠一も霎時しばしは飽かず眺めていたが、やがて手に取って打返うちかえして見ると、兜の吹返ふきがえしの裏には、「飛騨判官藤原朝高ひだのほうがんふじわらのともたか
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)