颱風期たいふうき)” の例文
颱風期たいふうきである。どこか遠国で大荒れをしているのだろう。近畿いったいは強風だった。都の朝も雲脚くもあしの迅い明滅をしきりにして、加茂川のそよぎがそのまま大内裏の木々をも轟々ごうごうとゆすっていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)