顏容かほかた)” の例文
新字:顔容
若かりし頃は好い男であつたかも知れませんが、兩眼めしひて、山葡萄やまぶだうのやうに、不氣味に飛び出した上、顏半面の大火傷で、見るも無慚な顏容かほかたちです。
色の淺黒い、顏容かほかたちの引締つた、腕前も相當らしく見え、立居振舞にも節度せつどがあります。
中年の怪我で思はぬ盲目になり、見る影もない顏容かほかたちになつてしまひました。こんな顏容ちになればこそ、敵の側まで寄つて來て、五年の長い間、討ち果す折を狙つてをりました
生きてゐるうちは、隨分美しかつたに違ひありませんが、すさんだ生活と氣持が、その顏容かほかたちまでも荒れさして、意志の働かない死面の凄まじさは、平次も思はず顏をそむけたくらゐ。
髮を剃つて髷まで直した顏容かほかたちも、決して滿更ではなかつたのです。