はづな)” の例文
たちまちの内にあの老爺おやじは、牛のはづなでございましょう、有り合せた縄にかけられて、月明りの往来へ引き据えられてしまいました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
盗人たちはそれには目もくれる気色けしきもなく、矢庭やにわに一人が牛のはづなを取って、往来のまん中へぴたりと車を止めるが早いか、四方から白刃しらはの垣を造って、犇々ひしひしとそのまわりを取り囲みますと
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)