陶物やきもの)” の例文
洗い清められた溺器しびんの肌には、古い陶物やきものの厚ぼったい不器用な味がよく出ていた。愛撫に充ちた貞昌の眼は労わるようにその上を滑った。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
卵の積りで陶物やきものの模型卵を呑んで、苦しがって居るのだ。折から来合わして居たT君が、尻尾しっぽをつまんで鶏小屋から引ずり出すと、余が竹竿たけざおでたゝき殺した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)