鑷子けぬき)” の例文
内供は、信用しない医者の手術をうける患者のような顔をして、不承不承に弟子の僧が、鼻の毛穴から鑷子けぬきあぶらをとるのを眺めていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
喬樣に臥して鼻の下に物をかひて、人を以て踏すれば、黒くつぶ立たる穴毎に煙の樣なる物出づ、其れを責て踏めば白き小虫の穴毎に指出たるを、鑷子けぬきを以て拔けば
これを鑷子けぬきでぬけと申す事でござった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)