“金鎗手（きんそうしゅ）” の例文
その間、チラと時遷（じせん）の目が、彼の眸（ひとみ）と怪しい交叉（こうさ）を交（か）わしたが、考え込んでいた金鎗手（きんそうしゅ）の徐寧（じょねい）はもとよりそれに気づきもしない。
新・水滸伝 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
そして代って躍り出た金鎗手（きんそうしゅ）の徐寧（じょねい）は、近づきもえぬまに「あッ——」と眉間（みけん）を抑えたまま落馬し、つづいておめきかかった錦毛虎の燕順も
新・水滸伝 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
じつは一場の狂言——梁山泊（りょうざんぱく）の仲間が書いた偽計（はかりごと）とは——金鎗手（きんそうしゅ）の徐寧（じょねい）がここで気のつくはずもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)