“醮”の読み方と例文
読み方割合
ひた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その頃は唐崎からさきの松も千年の緑を誇つてゐたのであらう。膳所ぜぜの城もその瓦甍影を水にひたしてゐたであらう。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
二筋の流れは両岸の緑をひたし、空の色を映して、走って行く、日は錫のような冷たい光を放射して、雲は一団の白い炎になり、ぎらぎらと輝く、私たちは路を狭めるやぶき分けて行く、笹の葉から
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
その上に又緑の木々が蓊鬱として繁茂し、瑠璃を碎いて溶かしたやうな美しい眞青の水に暗緑色の影をひたしてゐる。深い水の底を鯉や鮒などが泳いでゐるのが、よく透いて見える。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)