逃避とうひ)” の例文
平次の恋女房のお静は、我慢がなり兼ねた様子で、笑いを噛み殺しながら、お勝手へ逃避とうひしてしまいました。
すいのひまをぬすむこともできなかったのである。そこでさっきから独りここへ逃避とうひして、柱の下に背をもたせかけたまま、よいこころもちで居眠っていたのであった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを私達の仲間の一人は、逃避とうひだと言った。けれど、私はそうは考えなかった。私も初代さんと同じように、既にこうなった社会を、万人の幸福となる社会に変革することは不可能だと考えた。