轎丁かごかき)” の例文
家の玄関には昧爽より轎丁かごかきが来て待つてゐて、主人の神を拝して久しく出でざるをもどかしがり、塾生を呼んで「もし/\、内の神主さんの高間が原はまだ済みませんかい」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
榛軒は初め轎丁かごかき四人と草履取二人とを抱へてゐた。しかし阿部邸内の仲間等がしば/″\喧嘩して、累を主人に及ぼすことが多かつたので、榛軒は抱の数を減じてこれを避けようとした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)