越前屋えちぜんや)” の例文
母親がそういって大きな声で呼んだので、越前屋えちぜんやという仕出し屋の若い主人は印の入った襟のかかった厚子あつし鯉口こいぐちを着て三尺を下の方で前結びにしたままのっそりと入って来た。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
野次馬まで加わって捜した揚句あげく、間もなく首のない死骸が水際のやぶの中から見つかり、それが見知り人があって、豊島町一丁目で公儀御用の紙問屋越前屋えちぜんやの大番頭清六と判ったのは