赤提灯あかぢょうちん)” の例文
旧字:赤提燈
いつだったか、盛り場で酒を飲み、下宿に戻る途中、赤提灯あかぢょうちんを軒にぶら下げた売春宿があった。それを指して三田村は言った。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
夏の暮れ方、蝙蝠こうもりの出盛るころになると新道は急に人足がしげくなって、顔を真っ白に塗った若い女たちが射的屋の赤提灯あかぢょうちんの下などにちらちら動いていた。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
大きな赤提灯あかぢょうちんをぶら下げた売春宿である。もちろん眼の前にあるそのしもた屋ふうの二階建てには、提灯ちょうちんはぶら下っていない。でも歩いて来た感覚からして、ここらに建っている筈であった。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
九時過ぎに赤提灯あかぢょうちんの裏口から忍び出て、下宿に戻った。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)