貫木たるき)” の例文
きっと、最初の英人建築技師ディグスビイの設計を改修した所に、算哲のウイチグス呪法精神がもっているに違いないのだ。つまり、一本の柱、貫木たるきにもだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そして、全体がうるしのような光を帯び、天井などは貫木たるきも板も、判らぬほどに煤けてしまっていて、どこをのぞいてみても、朽木の匂いがぷんぷん香ってくるのだった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
前夜の睡眠中に捲かれておいた弾条ぜんまいが、毎朝一分も違わぬ時刻に——目醒めると動き出して、何時には、貫木たるきの下から仏間の入口にかけて二回往復し、それから四分ほど過ぎると
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)