豆相づさう)” の例文
青年は死場所を求めて、箱根から豆相づさうの間を逍遥さまよつてゐたのだつた。彼の奇禍は、彼の望みどほりに、偽りの贈り物を、彼の純真な血で真赤に染めたのだ。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
あにいさんの死は、形は奇禍のやうですが、心持は自殺です。私は、さう断言したいのです。お兄さんは、死場所を求めて、三保から豆相づさうの間を彷徨さまよつてゐたのです。奇禍が偶然におあにいさんの自殺を
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)