蘆葦茅草ろいぼうそう)” の例文
この時分、捨小舟とは程遠からぬ川原の蘆葦茅草ろいぼうそうの中の、先達せんだってイヤなおばさんの屍体を焼いた焼跡あたりから、一つのお化けが現われました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一口に言えば蘆葦茅草ろいぼうそうの中の川原の石の磊嵬らいかいたるところに、置き捨てられたまだ新しい白木の長い箱が一つある。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
例の蘆葦茅草ろいぼうそうの合間合間に、水たまりがあり、蛇籠じゃかごがあり、石ころがあって、どうしても進み難いところがある。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
川原の中の蘆葦茅草ろいぼうそうの中から、今しも盛んに火が燃え出したところです。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それと同時に眼を移すと、遥かに続く蘆葦茅草ろいぼうそうの奥に黒い塚がある。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それは別人でなく、この前の晩に宮川の川原の蘆葦茅草ろいぼうそうの中を、棺巻かんまきの着物をかかえてさまようた怪物、桜の馬場で馬子を斬ろうとして逸走せしめたあの覆面が、今晩もまた、夜遊びに出たのです。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)