蘆手あしで)” の例文
手紙を書く時には蘆手あしでのような簡単な文章を上手に書き、墨色のほのかな文字で相手を引きつけて置いて、もっと確かな手紙を書かせたいと男をあせらせて
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
宰相中将、式部卿しきぶきょうの宮の兵衛督ひょうえのかみ、内大臣家のとうの中将などに、蘆手あしでとか、歌絵とか、何でも思い思いに書くようにと源氏は言ったのであった。若い人たちは競って製作にかかった。
源氏物語:32 梅が枝 (新字新仮名) / 紫式部(著)
女の手になったほうの帳は少しよりお見せしなかった。ことに斎院のなどはまったく隠してお出ししない源氏であった。青年たちによって蘆手あしでの書かれた幾冊かの帳はとりどりにおもしろかった。
源氏物語:32 梅が枝 (新字新仮名) / 紫式部(著)