蓄財ちくざい)” の例文
上州屋莊左衞門さうざゑもんが死んだのは、もう半歳も前のことですが、その蓄財ちくざい——どう内輪に見ても、三萬兩や五萬兩はあるだらうと思はれたのが、不思議なことに
あるいは人を苦しめてなお蓄財ちくざいすることがあるにしても、その人よりも社会の制度が不完全ならびに輿論よろんがまだ未熟みじゅくにして、富者といわんよりは富貴ふうきの義務を自覚しないことを難じたい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
喜太郎は下總しもふさから出て來て一代に身上を築き上げ、表通りへ手頃の荒物屋の店を持つたほどの働き者で、片輪でも變人でもなく、男振りも滿更ではないのですが、商賣と蓄財ちくざいの外には興味がなく