“菅草”の読み方と例文
読み方割合
すげぐさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まず有難い」と云いながら、甚太郎は流れる汗を拭い木の根へ腰を下ろした時、丈なす菅草すげぐさを踏みしだき近寄って来る人影がある。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ただの家と、その邸内の単純な景色を——荒れはてた壁を——眼のような、ぽかっと開いた窓を——少しばかり生いしげった菅草すげぐさを——四、五本の枯れた樹々きぎの白い幹を——眺めた。
たけなす菅草すげぐさが左右からすぐにおおいかかった。溜っていた葉末の白露が一度にパラパラと降りかかり白茶けた空の月と星が、上から彼を覗き込んだ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)