そんなに茶席が建てたければ、茶屋四郎次郎ちややしらうじらう邸跡やしきあとや何かの麦畑でも、もつと買占めて、むやみに囲ひを並べたらよからう。さうしてその茶席ののきがくでも提灯ちやうちんでもべた一面に懸けるがい。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)