“英雄的（ヒロイック）” の例文
そして何か英雄的（ヒロイック）なものを心に感じながら、コッソリと夫人の手許を盗み見た。が、勿論夫人は左利きではなかった。
花束の虫 (新字新仮名) ／ 大阪圭吉(著)
銃後に漲る英雄的（ヒロイック）な気分の何割かが、避けがたい必要に求められて生命の危険を賭しつつある若い男、あるいは中年の男たちの感情へまで切実に迫って行っているであろうか。
祭日ならざる日々：日本女性の覚悟 (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)
英雄的（ヒロイック）なものに対する感動はそのときむしろ手をつかねて傍観していた人々の心持を湧き立たすのであって、その消防夫の努力をたやすくしようとしてバケツ一つの水でも走って運んでいる者には
祭日ならざる日々：日本女性の覚悟 (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)