花顔かがん)” の例文
ぱッとくちからも鼻腔はなからも血を噴いて、花顔かがんむなしく、虚空をつかむようにのけ反ッてクルと仰向あおに仆れてしまったのであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三歳のネロをひしと抱きしめ、助かった、ドミチウスや、私たちは助かったのだよ、とうめくがごとくささやき、涙と接吻でネロの花顔かがんをめちゃめちゃにした。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)