舫船もやいぶね)” の例文
岸辺の茶屋の、それならぬ、渚の松の舫船もやいぶね。——六蔵は投遣なげやりに振った笠を手許てもとに引いて、屈腰かがみごしに前を透かすと、つい目の前に船首みよしが見える。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)