紋切もんき)” の例文
中には一通の手紙と半紙に包んだ四角なものがはいっていた。手紙には金釘かなくぎのような字で、おぼつかなく別れの紋切もんきがたの言葉が書いてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
と、女はきまって、男の膝をぴしゃりと平手で打って、これほど思って苦労しているのにという紋切もんきがたの表情をしてみせた。それからいま一人塚崎つかざきの金持ちの百姓の息子むすこが通って来た。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)