糧食べんとう)” の例文
右手にあたって遠山が鋸の歯のように尖んがった処に、黄いろな一抹の横雲が夕映の名残りを染めて見えていた。しょうはぼんやりした眼で、その横雲の方を見ながら、糧食べんとうの残りの餅をっていた。
狼の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
元振は腰に付けていた糧食べんとうの鹿の脯を出した。
殺神記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)