まったく夢のようで夢ではない。見れば見るほど記憶きおく明瞭めいりょうになって来て、これを書いた当時の精神状態せいしんじょうたいも墨も筆も思い出される。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)