粗忽そそっか)” の例文
粗忽そそっかしい武士はほんとうの河童だと思ったかも知れないが、それは河童の長吉に相違ないと半七は思った。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
やがて医者が来て私はっとしたが、この医者がまた粗忽そそっかしい野郎でノックもせずにはいって来ると、いきなり入口に置いた洗面器を蹴飛けとばしてそこら一面水浸しにした。そして
葛根湯 (新字新仮名) / 橘外男(著)
御苦労千万にも、十五、六の少年五、六人が、圧し潰されんばかりになって、棺桶そっくりの長方形の大函を担ぎ込んできた恰好たるや、粗忽そそっかしい人間が見たら、まったく葬式とも見えたであろう。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
とこの粗忽そそっかしい医者めが聴診器を当てながら聞くから
葛根湯 (新字新仮名) / 橘外男(著)