穿鑿さぐり)” の例文
唐突だしぬけ背後うしろから声を掛けた人がある。思はず丑松は顔色を変へた。見れば校長で、何か穿鑿さぐりを入れるやうな目付して、何時の間にか腰掛のところへ来て佇立たゝずんで居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
のみならず、丑松の様子をうかゞひ澄まして、穿鑿さぐりを入れるやうな眼付したものもあれば、半信半疑らしい顔付の手合もある。銀之助は談話はなしの調子を聞いて、二人が一方ならず激昂して居ることを知つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)