“空文”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くうぶん75.0%
からぶみ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この調子なら、蠅男もこの一画に閉じこめられたまま、あの殺人宣言はむなしく空文くうぶんに終ってしまうことかと思われた。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
実際またそうでもしなければ、残金二百円云々うんぬん空文くうぶんおわるほかはなかったのでしょう、何しろ半之丞は妻子は勿論、親戚さえ一人ひとりもなかったのですから。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
或いは、空文からぶみを持たせて、本ものはわざと通常の文書の定飛脚じょうびきゃくにまぎれこませてやったりする例がある。で、内容はとにかく、中西、熊谷、ふたりの役目はそれですんだことになった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)