空々漠々くうくうばくばく)” の例文
所が米山の説を聞いて見ると、何だか空々漠々くうくうばくばくとはしているが、大きい事は大きいに違ない。衣食問題などはまるで眼中に置いていない。自分はこれに敬服した。
処女作追懐談 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人の若者はこのような空々漠々くうくうばくばくのあいだに、いつでも眼に見えてくるものはお互のいのちがどういう機会にか、相触あいふれなければならない相殺そうさい的な予測がされてくることだった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)