穀象こくぞう)” の例文
わたくしは貰い米を選り分ける中に見付けた赤ちゃけ背中の穀象こくぞう虫を掌の中に匍わしながら、わたくしも、もう何処かへ移ってもいゝ頃だと考えています。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
潜航艇のペリスコープは比良目ひらめの眼玉の真似である。海翻車ひとでの歩行は何となくタンクを想い出させる。ガスマスクを付けた人間の顔は穀象こくぞうか何かに似ている。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
海翻車ひとでの歩行はなんとなくタンクを思い出させる。ガスマスクをつけた人間の顔は穀象こくぞうか何かに似ている。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
低度の顕微鏡でのぞいてみると、ちょっと穀象こくぞうのような恰好をした鉛のような鼠色の昆虫である。
鉛をかじる虫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)