喬生は月のひかりでうかがうと、女はまことに国色こくしょく(国内随一の美人)ともいうべき美人であるので、神魂飄蕩しんこんひょうとう、われにもあらず浮かれ出して、そのあとを追ってゆくと、女もやがてそれをさとったらしく
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)