畔田翠山くろだすいざん)” の例文
しかし一人紀州の畔田翠山くろだすいざんは偉い学者で、このツヅラフジをよく正解しこれを彼の著『古名録こめいろく』に書いて、その正しい名を世人におしえた。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
畔田翠山くろだすいざんの『古名録』というような、最も綿密な本草書ほんぞうしょを見ても、まだその中に掲げてない草が大分あって、それにも立派な標準語が附いている。
またあるいは畔田翠山くろだすいざんの『古名録』に在る様に知佐木チサノキ(『延喜式えんぎしき』)、知佐(『万葉集』)、加波知佐乃岐(『本草和名ほんぞうわみょう』)、賀波知佐乃木(『倭名類聚鈔』)
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
畔田翠山くろだすいざんの『古名録こめいろく』にれば、ソソ貝だのベベ貝だのという名が、すでに室町期の医書類には用いられており、俗間にはそれよりももっと悪い異名が、今日は流行しているかとも想像せられる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
また畔田翠山くろだすいざんも彼れの『古名録』で同様な意見を述べ共にカキツバタを燕子花とする説を否定している。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)