乘越て上野の山内へ入者いるものありしかば大いにあやし田村權右衞門たむらごんゑもんへ申斷り内密ひそかに清水門より入りて見廻けるに夫ぞと思ふこともなけれど中堂のえんの下何となく怪し氣に思はるゝゆゑ傍邊かたはらへ身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)