生霊しょうりょう)” の例文
旧字:生靈
「そうかね、生霊しょうりょうはおがらをいて迎え奉るものと思ってたが、やっぱり新体詩の力でも御来臨になるかい」と迷亭はまだ碁をそっちのけにして調戯からかっている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
他人が鮮血を賭けてする生霊しょうりょうのやむなき大悲願事をふところ手で——後学のためとかなんとかいって——虫のよい傍観者に廻り、その上、双方へ恩着せがましく
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
部屋の中のどっかに現出している牧の生霊しょうりょうを、叱責しているのであった。二人は、袖を持っているくらいでは、引きちぎれそうなので、玄白斎の帯と、左手とへ、手をかけた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)