獰猛組どうもうぐみ)” の例文
飯場はんばを出て二丁ばかり行くと、すぐ道端みちばたにある。木造ではあるがなかなか立派な建築で、広さもかなりだけに、獰猛組どうもうぐみとはまるで不釣合である。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし一度この社会に首を突込つっこんで、獰猛組どうもうぐみの一人となりすましたら、一月二月と暮して行くうちには、この男くらいの勢力を得る事はできるかも知れない。できるだろう。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
起きていれば獰猛組どうもうぐみ、寝れば南京虫ナンキンむしに責められるばかりだ。たまたま飯のふたを取れば咽喉のどへ通らない壁土が出て来る。——しかしいる。いるときめた以上は、どうしてもいて見せる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)