“猶太廓”の読み方と例文
読み方割合
ゲツトオ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくて昔のやしなひ親にたよりて、人目少き猶太廓ゲツトオに濳み居たるは、一年半ばかり前の事といへば、ベルナルドオが逢ひしは此時なり。いくばくもなくして彼公子身まかりぬ。
一日散歩のついで、吾友の上をおもひつゝ、かの猶太廓ゲツトオに入りぬ。若し期せずして其人に逢はゞ、我友の怒をはら便たよりにもならんとおもひき。されど我は彼翁をだに見ざりき。
我はかの惡少年をこらして後、翁猶在らば、家まで送りて得させんとおもひしに、早やいづち往きけん見えずなりぬ。その後翁の事をば少しも心に留めざりしに、或日ふと猶太廓ゲツトオの前を過ぎぬ。