猪右衛門ししえもん)” の例文
こういう触声ふれごえを立てながら、京を歩いている男があった。他ならぬ香具師やし猪右衛門ししえもんである。古道具買こどうぐかいに身をやつし、ノサノサ歩いているのである。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その民弥の苦しい心を、見抜いて現われて出たかのように、窓からヒョッコリ顔を出したのは、古道具買に身をやつした、香具師やしの親方猪右衛門ししえもんであった。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「玄女姐さんも居なければ、猪右衛門ししえもん親方も行方不明なのさ」いよいよ猿若は物憂そうである。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)