無頓著むとんちゃく)” の例文
唯今では、鍛冶屋の山さん、変じて、博士の用心棒となり、無頓著むとんちゃくな博士の身辺護衛しんぺんごえいの任にあたっているのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夏もややおわりに傾いてから庭の樹に来て啼く蝉の声とを、一つの言葉で呼ぶということは、驚くべき無頓著むとんちゃくには相違ないが、とにかくに誤解と称すべきものではない。
それにしても報酬があまりに粗末すぎるようでもあるが、元来がんらい博士は黄金の価値について無頓著むとんちゃくで、ただマージナル・ユーティリテーの大なるものこそしけれ、という極めて淡白なる性格の人だった。