無精髯ぶしやうひげ)” の例文
さう言ふのは、五十に近からうと思はれる見る蔭もない男、涙と鼻水と一緒にかなぐり上げて、一生懸命さが無精髯ぶしやうひげの面に溢れます。
總髮に無精髯ぶしやうひげ、眼が細くて蟲喰ひ眉で、鼻がシラノ・ド・ベルジユラツク風で、唇の厚い、首の短かい、まことに怪奇な風貌ふうばうです。
お秀の白い顏が、八五郎の顏へ近づくと、香ばしい息が八五郎の無精髯ぶしやうひげの頬をさはやかに撫でるのでした。
無精髯ぶしやうひげの生えた中老人が、貧乏臭い破れ障子の蔭から顏を出した時は、錢形平次も驚きました。庚申塚の赤塚家の豪勢な暮しに比べると、あまりにもひどい違ひやうです。