無味まず)” の例文
自分は燐寸を擦って煙草を呑んでいる事さえ時々忘れた。しかもそこに気がついて、再び吸口をくちびるくわえる時の煙の無味まずさはまた特別であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「するとうまく中った形容が俗で、旨く中らなかった形容が詩なんだね。藤尾さん無味まずくって中らない形容を云って御覧」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)