無人境むじんきょう)” の例文
倒れた家だけあって、全く無人境むじんきょうにひとしかった。杜はまるで夢のなかの町へ迷いこんだような気がした。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いや、善人といえるかどうか。なにしろ下が東京の銀座とか日比谷公園でもあるのならともかく、氷点下何十度という無人境むじんきょうなんだ。そんなところへ落下傘でおろすようなやつは、やっぱり善人ではない」
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「殺したのは誰だ。この無人境むじんきょうで、妻を殺したのは誰だッ」
(新字新仮名) / 海野十三(著)